オタクよ、今こそ『HiGH&LOW』を見てくれ

きっかけは先月の金曜ロードーショーで放送された「HiGH&LOW RED RAIN」だった。あまりの編集の酷さと謎のナレーションによりTwitterは阿鼻叫喚としていたが、TVの前には母が録画していたその番組を噛り付くように見てしまった私がいた。

そうして、もともとLDHに全く興味がなく、むしろ嫌っていた私が「ハイロー」にハマったのはそのあとすぐのことだった。「いやいや!これLDH以外の役者もでてるし!今のところの推しはワタ○ベエンタテイメントだし!ストーリーが面白いだけでLDHとか関係ねぇし!」と言っていたのもつかの間、私はLDHへと魂を売った。

意外と知らない人が多いらしいのでここで記述しておくが、LDHというのはEXILE系列のアーティストやらタレントやらが所属する事務所の名前で、要するにジャニーズみたいなものだ。ちなみにLDHはラブドリームハピネスの頭文字なんですけどこれを教えるとたいていの人に笑われる。いい事務所名なのに。

今回この記事を書いたのは、ハイロー初見時の感動を記録しておきたいと思ったのと、意外とハイローファンもといLDH fam(LDHが好きな人のことをそう呼ぶよ!)が少ないという現実に驚き、もっとみんなハイロー見ようぜ!っていう布教的な意味もこめてである。勿論、去年映画1作目が公開された時点でいくつものレビューやブログが投稿され、私も話題になっていたのは知っていたから、今更テメェが書く意味はねぇだろって思ったりもするけど、実際その大量の記事を私はひとつも読まなかったし、自分には関係ない次元での流行だと思っていた。でも違う!!!そうじゃない!!!ハイローの面白さは、例えばマッドマックスが好きな人は絶対好きな面白さだし、ハイローの唐突さはキンプリの唐突さと同じだし、言うならば「お前ら絶対好きだから!!!」っていう質のもので、本当にハイローとLDHを知らないなんて人生の10割損してるから。ってことで以下はハイローとLDHにまつわるエントリーです。ハイロー(とLDH)とオタク(サブカルチャーとしてみなされるものが好きな人ととりあえず定義)の親和性についてが主になると思います。

結構長いので「こんなに読めねぇ」って人は、とりあえずハイロー劇場版を見てハイローLIVEを見てくださいってことが書いてあるだけのブログです。

 

早速だがハイローのストーリーの説明は既にいろいろな方が記事にあげてくださっているので割愛する。一番の布教ポイントじゃねーのかよ!とお思いの方もいるだろうがストーリー自体はありがちでさして珍しくもないと思う。ただ、生まれてこの方オタクとして生きてきた私は「スカウト集団」とか「祭りの利権」とかの知識を持ち合わせていなかったのでそのあたりはさすがLDHだなぁと思う設定やセリフまわしだと思った。(この段階で私はまだLDHについて「パリピ集団」「頭悪そう(笑)」といった悪質な偏見を持っていた)(ごめんなさい) オタクとして生きていたら多分一生出会わなかったであろう概念がいくつかあったのも面白かった。世界観で言うと英田サキ先生のDEAD LOCKシリーズやエスシリーズを地で行く感じ。この時点でオタクホイホイの予感しかしない。(英田サキ先生の著作を読んだことがない人はとりあえずドラマ『ウロボロス』みたいな感じだと思っててください)

余談だが、作中、ティンバーを履いてるキャラが何人かいるのだが、それを見て工業高校出身の弟が「あーこういう輩いるなー」と笑っていたのが印象的だった。(ティンバーはめっちゃ重いので喧嘩には向かないけど輩はチィンバーで体育とかするらしい) ストーリーとキャラクターについての記事は個人的にこの方のブログが好きなのでみんな読んでください。

私がハイローのドラマシリーズを完走したときに最初に思ったことは「何てホモソドラマなんだ……」だった。基本男しか登場しないストーリーで、男社会と軋轢、抗争みたいなものが描かれる。が、その中で女はストーリーの中心には入れないし、ただの添えものって感じだった。華やかにするために置いておこうぜ!的な。でもそういうストーリー構成が好きなオタクは多いと思うし、私もそうだった。ストーリーは好きだけど、自分はその中にいなくていいし、男の子がわちゃわちゃするのを見ていたいだけっていう層が少なからずオタクの中にあって、ハイローはその層と異様にマッチしたんだと思う。この時点でハイローはLDH famよりもオタクに親和性があるといえると思う。個人的な印象だが、LDH famの方々は、それこそ『ひるなか』とか『兄こま』とか『植物図鑑』とかのベタベタなラブコメを好みがちで、ハイローはあくまで「○○くんの演技のお仕事のひとつ」くらいの扱いなんじゃないかと感じる。実際LDH好きな友達でハイロー見てたのは一人くらいしかいなかった。(これは偏見かもしれないし、LDH famの皆様でストーリーとしてハイローを消費している人もいるともちろん思います) 一方オタクの、特にベーコンなレタスが好きな層っていうのは、キャラクターをその世界観と社会で消費できるから、より深く作品にハマりやすいのではないだろうか。オタクはテキスト分析みんな好きでしょ(偏見)

ただこれは、腐ってる腐っていないに関わらず、わりと多くの人が経験したことのある消費方法なんじゃないかなーと思ったりもしていて、ホモソーシャルという概念を知らないうちに享受していて、「異性愛男性同士で閉鎖的な空間をつくる」っていう設定が好きな女は多分めちゃめちゃ多い。ホモソはミソジニーに含まれるけど、まぁ知らなかったら違和感抱かないかもしれないし、知っていても私みたいに完全に敗北してしまうこともあると思う。ホモソだなーって思うけど私は事実ハイローがめちゃめちゃ好きになったし……このあたりの感情はすごく難しいけど、まぁただ言えるのはその目で確かめてってことですよ。

ここまで私が書いた文で判明したことって「男同士がワチャワチャしたり喧嘩したりすろ」ってことしかないですけど、言ってしまえばそれに終始してると思います。ただ、そうした層に向けられて作られたのでは決してなく、男のロマンを詰め込んだらこうなりました、って感じ。子どもの頃の憧れをHIROさんが湯水のようにお金を使って叶えてくれたドラマと映画。だからアクション映画好きな方にも高評価を頂いている。それに加えてキャラクターやグループひとつひとつに深い設定があるので、現状オタクは「治安の悪い街にシルバニアファミリーの家5つと人形山ほど置いとくから!好きに遊べよ!」って言われているようなもんで、家ごとに違った色があったり家訓が違ったりして、そこでままごとするのがなんだかむちゃくちゃ楽しいし、その人形の特性=中の人=(ほぼ)LDH、について知ったらもっと面白い遊びができちゃうし今度は人形だけを持ち歩いても楽しめるようになる、って感じですかね。自分でも何書いてるかちょっとわかんないですけど、まぁそんな感じ。

 

で、私はHuluに加入してハイローを見たんですけど、そのときHuluではドラマ2シーズンと劇場版一作目とスピンオフ映画のRED RAIN(例の悪名高き特別版)が公開されていて、私は一応ストーリーに沿って順番に見て、まぁ普通に面白くて最初は「村山イケメンじゃん」とか「スモーキー強く生きて!!!」とかって言ってストーリーとキャラクターにハマってたんだけど、そうすると次第に中の人に興味が出てきて、Twitter見てると結構多くの人がLDHの話しててついつい夢中になって読み漁ってて、そして気がついたらそこは海でした。ハイローという入り口に対してのLDHランドはあまりにも広すぎて、沼というよりも海だし、私は今大海原を航海中なんだ……という幻想すら感じられる。

この過程が急すぎて周りの人にめちゃめちゃ驚かれたのだが、ハイロー港からLDH海まではすごく完成された航路が用意されていて、私の場合はハイローにハマる→サントラを探す→LINE MUSICで配信中→曲を覚える→HuluでハイローTHE LIVEが配信中→見る→ハマるっていう流れがスムーズで、気になってるけど曲が電子配信されていないなんてこともなかったし、曲は覚えてきたけどライブ映像購入するほどか?っていうハードルもなかった。この過程で私は一銭もLDHにお金を払っていないし、何ならHuluも体験期間だったのでLINE MUSIC以外はほんとに全部無料だし、LINE MUSICは以前から加入していたし日常的に利用していたので課金した感覚はない。普通に考えたらありえないんですが、ここまでの流れが素晴らしすぎて私は瞬くうちにLDHの皆さんに詳しくなった。

LDHのアーティストの皆さんはインスタやらTwitterやらですぐに日常をアップロードしてくれるし、メンバー同士の距離が近いのはオタクの血が騒いでしまうし、苦労している方も多いので思い入れもしちゃうし、なんだかすごく推しやすい。しかも全部無料で見れる。有料コンテンツもあるけど、コンテンツ内容多すぎてまだ全機能わかってないくらいだし多分めっちゃコスパいい。ファンへの福利厚生も厚いが同時に所属タレントへの福利厚生も厚い。課金したお金がどこに使われているか明確なのはファンとして嬉しいし、そう考えてみるとLDHはさながら許斐事務所と似ている気がする。曲はいい曲もあれば凡人には理解できない曲もあるけど多分この問題は私が完全にLDH famになったら解決すると思われる。

上述したようにLDHは初心者にも優しい。そしてうっかり詳しくなってしまったら、今度はハイローをストーリーでじゃなくてLDHで消費できるようになって、ここの演出、○○さんと□□さんとで闘わせてるのが戟アツ、みたいな感想が生まれるわけですよ。そうするろもっとハイローが面白くなるし、でやっぱLDHもっと知りたいってなってメンバーの関係性とか性格も知りたくなっちゃってラジオ聞いてみたりバラエティ見てみたりして、んでまたハイロー戻って……っていう繰り返しが超楽しい。LDHという文脈でハイローを消費できるようになるとハイローが百倍くらい面白く感じられるようになると思います。

本当はもっとLDHのアーティストさんについての萌えポイントも書きたいんですけどそれはもうただのオタクの醜い戯言になるので自重する。言いたいことはひとつだけ、とりあえず皆さんハイローを見てくれ。私がこの記事をこのタイミングで書いたのは、私がLDHにハマったひとつのきっかけであるHuluでのハイローTHE LIVEの配信が今週末で終わるからである。とりあえず無料体験で劇場版見て、なんかわからないけどスゲー!って思って!ドラマもいいけどLIVE見て!なぜかバイクが宙を舞いまくるLIVEを見て!それからドラマ見ても全然間に合うし!その頃にはきっとドラマシリーズのクソ長い回想とか回想の回想とかもう気にならないくらいハマってるはずだから!!!そして私と一緒に次のハイローLIVE行ってください。

 

HiGH&LOW THE MOVIE

HiGH&LOW THE MOVIE

 

 

私は配信終わったらおとなしくブルーレイ買います。三代目さんとジェネのオススメライブDVDあったらそれも買うのでえらい人教えてください。