推し色のリップを購入するまでのわたしと、購入してからのわたしについて

先日化粧ポーチをご紹介していただく機会があったので、お化粧とわたしについて、すこし書かせてください。 

まさかサムネになっているとは思わなくて、自分でも爆笑しました……

 

わたしは去年まで、化粧にあまりこだわりがありませんでした。適当にファンデーションを塗って、適当にアイシャドウを塗って、口紅はどうせ取れてしまうから、と塗らない。化粧品は薬局で買った、必要最低限のものしか持っていませんでした。

すこし話は逸れますが、わたしはこの頃、毎日すごく機嫌が悪かったです。機嫌が悪いというか、自尊心があまりにも低く、被害妄想と自虐がひどかった……ずっとなにかに怒っていました。それはわたしの見た目に起因していて、自黒で、肌が汚くて、目が小さくて歯並びが悪い自分のことが大嫌いでした。「ブスはなにしてもブス」って自分のことを思っていたし、外見へのコンプレックスをすごく持っていました。別に誰に言われたわけでもないのに、「ブスである」ということを言い訳に社会に文句ばっかり言っていました。自分のことを正しく評価してもらいたいのに、それを外見が邪魔していると、ずっと思っていました。今思えば誰もそんなこと思っていないことはわかるのですが(思ったことがあった人はごめんな)、そうした考え方に呪いのように囚われていました。化粧をしても、ブスはブス。そう思っていました。

それが変わったのがちょうど1年くらい前で、きっかけはデパコスのオタクと仲良くなったことです。デパコスのオタクはTwitterのフォロワーでわたしのひとつ年下でしたが、まじでめちゃくちゃ美人でした。はじめてお会いするときがキンプリの応援上映で、案の定性格の悪かったわたしは「一体どんなブスが来るんだろう……」と思って待ち合わせ場所で待っていたら、カナパを持った美人が現れて本当にびっくりしたのを今でも覚えています。(このことは後に本人にお話し、「ひどい!www」という苦情を受領済です)

その後定期的にご飯や遊びに行くようになり彼女と頻繁に会うようになったのですが、彼女は会うたびにわたしの外見のどこかを褒めてくれました。「今日のリップかわいいですね!」「今日のアイシャドウ、どこのですか?」「今日の靴、色がめっちゃいい!」などなどなど……きっとそれまでも、わたしは同じような言葉を何度も頂いてきたと思います。でも、ずっと自虐の意識が強くて、「ああ、また社交辞令を言われているな」「褒め返すのがめんどうだな」とかの負の感情が大きくて、そうした言葉を真剣に受け止めたことはありませんでした。でも、彼女の言葉はなぜかすっと自分の中に入ってきて、わたしの呪いをすこしずつ解いていってくれました。彼女は夢女子で、わたしも夢女子だったので「松岡凛くんとデートするときに使うアイシャドウ」「燭台切光忠の香りがする香水」などの議題について会うたびに話し合っていました。オタクなので、推しに対しては単純に課金する傾向があり、こうしてわたしはずぶずぶと化粧品を買い集めるようになりました。

 

以上は精神的な部分のお話でしたが、お高い化粧品を使っているうちに、身体的なコンプレックスもすこしずつ改善されていきました。

上記のデパコスのオタクに連れられて入ったコスメカウンターで、流れでおすすめしてもらい購入した乳液が、すごくよかった。本当に、すごくすごく、よかった。それまでわたしはニキビがひどく、どんなファンデーションやコンシーラーを使っても隠せないほどでした。たぶんその影響もあって、それまで化粧に対してあまり信頼を置いていなかったし、重視もしていなかったのだと思います。本当に何をやってもだめで、皮膚科に通っても治らなかったしいろんな基礎化粧品を試しましたがよくなりませんでした。でも、その乳液をだましだまし使っていると、どんどん肌の調子がよくなっていき、半年使い続けた今はもうほとんどニキビはありません。今ならニキビの原因は乾燥とストレスだっていうのは簡単にわかるのですが、当時は本当に成す術がなく、毎日自分の顔を見て落ち込んでいました。それが、ニキビが減って「化粧って楽しいかも……!」と思えるようになりました。あの日、あのカウンターに行くまで、わたしは自身のことを乾燥肌だなんて思ったこともなかったので、プロに自分のことを客観的に見てもらうことは本当に大切なんだと痛感しました。

 

そして、いまに至ります。最近は毎週のように百貨店のコスメ売り場で化粧品をチェックしています。去年までのわたしは真っ赤な口紅なんて絶対に塗れなかったけど、今は率先して買っています。推しの色だし!アイシャドウは母にもらったブラウンのパレットしか持っていませんでいしたが、今月は件のデパコスのオタクに「同担にマウントが取れます!」と薦められ、バーガンディのアイシャドウを買いました。バーガンディも実質推しの色だし(?)

最近Twitter上で話題になった、「自分の機嫌は自分で取ること」の重要さが、いまになってようやくわかるようになりました。去年までの自分は、絶対に理解できなかったと思います。でも、いまわたしは基本的に毎日がハッピーだし、楽しい。自分のことは自分しか肯定できない。

今年の夏、わたしは生まれて初めてレジャー用の水着を買いました。すごい。本当にうれしい。こんなことで人は幸せになれるんだ、ということにようやく気づきました。もし、昔のわたしと同じように、「ブスは水着とか無理だろ……」と思っているオタクがいたら、ぜひ推しの色の水着を買ってください。そして、ちょっとだけいつもと違うお化粧をしたら、今年の夏は絶対に去年とは違う夏になると思います!